「図書館で本を借りるだけ」という使い方はもったいないかもしれません。実は図書館には、利用者の調べ物をプロがサポートしてくれるレファレンスサービスという仕組みがあります。難しそうに聞こえますが、「この本はどこにある?」という案内から「○○について調べたい」という専門的な相談まで、気軽に利用できるサービスです。
レファレンスサービスとは
レファレンスサービス(Reference Service)とは、図書館員(司書)が利用者の調べ物・資料探しをサポートするサービスのことです。「レファレンス」は英語で「参照・照会」を意味し、図書館では「資料を通じて情報を提供すること」を指します。
公共図書館では無料で利用でき、図書館カードを持っていなくても相談できる場合がほとんどです。専門書・地域資料・統計データなど、自分一人では探しにくい情報を効率よく見つける近道になります。
どんな相談ができるか
事実調査型
「○○の正確な数字を知りたい」「△△の定義は何か」など、具体的な事実を調べる相談です。統計資料・白書・百科事典などを駆使して回答します。
資料探索型
「○○について書かれた本を探している」「△△に関する論文をまとめて読みたい」など、テーマに沿った資料を案内する相談です。
所蔵確認・所在案内型
「この本はどこにある?」「他の館から取り寄せられる?」など、資料の所在を確認する最もシンプルなレファレンスです。相互貸借の手続きもここから相談できます。
地域資料型
「この地域の昔の地図を見たい」「地元の歴史について調べたい」など、地域に特化した資料の調査です。地域資料は図書館によって所蔵内容が大きく異なりますが、特に都道府県立図書館は充実しています。
申し込み方法
- カウンター直接:もっとも一般的。レファレンスカウンターまたは一般カウンターで「調べ物を手伝ってほしい」と声をかける
- 電話:開館時間内に図書館の代表番号へ。複雑な内容はメモをまとめてから電話すると伝わりやすい
- メール・ウェブフォーム:時間をかけて正確に内容を伝えられる。回答まで数日かかることが多い
- FAX:対応している図書館もある(主に高齢者向け)
相談から回答までの流れ
「何を・なぜ・どこまで知りたいか」をできるだけ具体的に伝えます。背景情報があるとより的確な資料を案内してもらえます。
司書から「どのような目的で調べていますか?」「どのくらいの深さで知りたいですか?」など確認の質問があります。
司書が蔵書・データベース・ネットワーク資料を調べて、関連する資料や情報源を案内します。
その場で回答できない場合は、後日連絡する形になります。複雑な内容ほど時間がかかります。
対応できないこと
レファレンスサービスは「図書館の資料・情報を通じた調査のサポート」であり、すべての相談に対応できるわけではありません。
- 個人情報(特定の人物の住所・電話番号など)の調査
- 法的判断・医療診断・投資アドバイスなどの専門的判断
- 宿題・レポートの内容を丸ごと書くこと
- 将来の予測・評価・見解を求める質問
レファレンスサービスは「答え」を教えてもらうものではなく、「どこを調べればわかるか」を案内してもらうものです。資料の場所や調査の糸口を示してくれるため、自分で深掘りするための起点として活用しましょう。
レファレンス協同データベースとは
国立国会図書館が運営する「レファレンス協同データベース(レファ協)」には、全国の図書館が過去に受けたレファレンスの事例(質問と回答)が蓄積されています。ウェブ上で無料公開されており、過去の調べ物事例を参照できます。
「○○についてどう調べたか」「△△に関するどんな資料がある」といった事例が豊富に掲載されており、自分で調べる際の参考にもなります。難しい調べ物の前に一度検索してみる価値があります。詳しくは国立国会図書館の使い方ガイドもご覧ください。
上手な相談のコツ
- 「何のために調べているか」を伝えると回答の精度が上がる
- 知っている情報(書名・著者名・キーワードなど)はすべて伝える
- 複雑な内容はメモにまとめてから訪問・電話すると伝わりやすい
- すぐに答えが出なくても諦めず、後日問い合わせを続けることも大切
この記事のまとめ
- レファレンスサービスは司書が調べ物をサポートしてくれる無料サービス
- カウンター・電話・メール・ウェブフォームで申し込める
- 事実調査・資料探索・地域資料など幅広い相談に対応
- 個人情報照会・法的判断など対応外のものもある
- 過去の事例は「レファ協(レファレンス協同データベース)」で検索できる
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