「この本を読みたいけど、近くの図書館にはない」——そんなとき、遠くの図書館まで行かなくても済む方法があります。それが相互貸借(ILL:Inter Library Loan)と呼ばれるサービスです。図書館どうしが協力して本を融通し合うこの仕組みを使えば、全国各地の図書館の資料を最寄りの図書館で受け取ることができます。
相互貸借とは何か
相互貸借とは、利用者が希望する資料を自館で所蔵していない場合に、他の図書館から借り受けて提供するサービスのことです。図書館法や図書館間の協定に基づいて行われており、公共図書館・大学図書館・国立国会図書館など、あらゆる図書館が参加しています。
利用者にとっては「自分の図書館にない本でも、申し込めば取り寄せてもらえる」という非常に便利なサービスです。専門書・学術書・古い資料など、小さな図書館では所蔵していないような本も手元で読める可能性があります。
「購入リクエスト」は図書館に本の購入を依頼するサービスで、購入されれば永続的に所蔵されます。一方「相互貸借」は他館から一時的に借り受けるものであり、返却が前提です。
利用の流れ
まず利用している図書館のOPACで検索します。同一自治体内の他の館にもない場合に相互貸借を申し込みます。
「この本を他の図書館から取り寄せたい」とカウンターに伝えます。タイトル・著者・出版社・ISBNなどの情報があると手続きがスムーズです。
司書が都道府県立図書館や国立国会図書館などのネットワークを使って資料を所蔵している館を探し、貸借を依頼します。
通常1〜2週間で資料が届きます。準備ができたら電話やメールで連絡が来るので、図書館カードを持参して受け取りに行きます。
国立国会図書館との相互貸借
国立国会図書館(NDL)は日本最大の図書館であり、国内で出版されたほぼすべての資料を所蔵しています。NDLは全国の公共図書館・大学図書館に対して相互貸借サービスを提供しており、非常に古い資料や専門的な資料でも取り寄せられる可能性があります。
ただし、国立国会図書館からの貸借は原則としてコピー(複写)での提供になることが多く、現物が届くケースは限られます。詳しくは国立国会図書館の使い方ガイドや遠隔複写サービスも参照してください。
費用と期間の目安
相互貸借の費用については、図書館によって対応が異なります。
- 資料の取り寄せ自体は無料の図書館がほとんど
- 郵送費用を利用者に一部負担してもらう図書館もある(数百円程度)
- コピーの場合は複写費用が別途かかることがある
期間については、同じ都道府県内の図書館からなら数日〜1週間、遠方の図書館や国立国会図書館からなら1〜2週間以上かかることもあります。急いでいる場合はあらかじめ期間を確認しておきましょう。
相互貸借できない資料
- 新聞・雑誌の最新号(貸出禁止資料のため)
- 貴重書・特別コレクション
- AV資料(CDやDVDは館によっては対象外)
- すでに予約が多数入っている人気資料
- 電子書籍・デジタルコンテンツ
取り寄せる本が今後も利用価値があると考えられる場合、相互貸借と同時に「購入リクエスト」も出しておくのも一つの手です。リクエストが通れば自館に永続的に所蔵されます。
上手に使うためのコツ
- 本のISBNを事前に調べておくと申し込みがスムーズ
- 時間がかかるため、急いでいない資料を申し込むのが向いている
- 都道府県立図書館が窓口になっていることが多く、問い合わせ先として覚えておくと便利
- 国立国会図書館デジタルコレクションに収録されていないか先に確認すると早い場合もある
この記事のまとめ
- 相互貸借は図書館どうしが協力して他館の本を取り寄せるサービス
- カウンターで申し込めば最寄り館で受け取れる
- 国立国会図書館との連携で専門書や古い資料も入手可能
- 到着まで1〜2週間程度かかることが多い
- 費用は基本無料だが郵送費を負担する図書館もある
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